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『ペイント&コーティングジャーナル』社長インタビュー掲載

Dr.TAKUBO's COLUMN

塗料・塗装業界新聞「ペイント&コーティングジャーナル」(2006年3月22日号)に、タクボエンジニアリング社長 佐々木栄治のインタビュー記事が掲載されました。

タクボ独自の視点で近未来の塗装を見据えた環境対応システム展開について、タクボエンジニアリング社長 佐々木のインタビュー記事をご紹介します。(出典:「ペイント&コーティングジャーナル」(2006年3月22号)。記事掲載にあたってはコーティングメディア様の許可をいただいております)

タクボワールド・近未来の塗装は!?

発想の転換を図った環境対応システム



Dr.TAKUBO

タクボエンジニアリングは世界標準の塗装システムを展開している。既にIT関連の情報端末や自動車内装部品メーカーなどに納入しており海外からの引き合いも増えている。これまでコストと品質の背反する条件を満たすことで競争の激しいマーケットにおいて採用されてきたが、今回更に環境負荷低減をより重視し、塗料メーカーとのコラボレーションなど近未来の塗装システムを提案する。


—この4月から改正大気汚染防止法(VOC規制)が施行されますが、企業によって意識に温度差があり、一様には進みませんね。

「この業界を含めモノ造りを行う企業の大きなテーマが環境問題への対応です。VOC削減に留まらずCO2の削減、産業廃棄物の低減、更に有害化学物質の問題と単に環境問題といっても広範囲に及び、今回のVOC規制はそのひとつ」
 「我々はプラスチック塗装を主体にシステム提案を行っていますが、小ロット・多色化の世界でメタリック塗装が主流になっています。品質は非常にシビアで、実際塗料の使用量よりも色変えに伴なう洗浄シンナーの方がはるかに使用量が多い。特に二液ウレタン塗料であれば洗浄シンナーもさることながら廃棄する塗料も多い。塗着効率の向上も重要だが、色変えをしなくても済むようなシステムを考えていかないと現場でのVOC削減にはなかなか結びつかない」
 「塗料メーカーは水性塗料を提案するが、VOCは減ってもCO2の問題や産廃物についてまでは考えていない。我々としては、塗料の使用量が減り、かつ洗浄工程を無くすようなシステムを考案し、トータルで問題をつぶしていくことで環境負荷低減を図っていく方向で検討しています」

—乾燥炉にしても大きなエネルギーを消費しています。

「いかにコンパクトな乾燥炉を造るかというテーマと、熱効率のいい乾燥炉の2つの考え方でCO2の削減に取り組んでいく必要があると思います」
「金属塗装に象徴されるように焼付け乾燥であって、大きなエネルギーを伴なう。1コート仕上げは少なく、2コート2ベーク、更にアルミホイールの塗装は3コート3ベークで仕上げています。下塗りに粉体塗料が入っていますがベースコート、クリヤーと溶剤塗料を使っている。この工程は昔から変わっていない」
 「乾燥方法は被塗物の材質、塗料、求める品質によって最小のエネルギーで最大の効果が得られる方法があります。今年はその辺を含め、新しい提案を行っていきたい。既に韓国で二液ウレタン塗装の乾燥工程の短縮、省エネに取り組んでおり、近々にデータなどの資料が提供できると思います」


世界標準の塗装システムを目指して



—国内にはトータルにキチンと提案できる設備・機器メーカー、もしくはエンジニアリングメーカーが少ない。

 「それがこの業界の不幸なところであると同時にユーザーにとっても不幸なことだ。これまで塗料メーカー、機器メーカーそれぞれの立場でユーザーに提案していれば何とかなったが、そんな時代は遠に過ぎ去った」
 「我々がお付き合いしているIT関連の製造工程はクリーン化されており、塗装もクリンルームで行っている。除塵・防塵の徹底。作業員も防塵服を着て作業を行っている。しかし、使用する塗料には異物が入っているケースがあり、一度濾して使用している。供給する塗料の製造現場と使用する現場のギャップの大きさには驚かされる」
 「トータルな提案を進めるなかで、塗料の生産管理まで踏み込まないと我々のシステムが生きない。もしくはそれがキチンとできるメーカーとタイアップする格好で仕事をせざるを得なくなりますね」
 「ユーザーへの提案を考えると塗料メーカー、設備・機器メーカーが一体になって取り組んでいくことが重要だと思います」

—タクボさんのシステムは海外での実績が高まっているようですが。

 「韓国・サムソングループの関連会社を中心に中国、東南アジア、更にはブラジルなど広範囲に及んでいます。
各産業のトップメーカーはワールドワイドな展開を進めており、品質においても統一していく方向にあります。一頃は各地域の工場の立ち上げに合わせてその工場ごとに設備・機器を選定してきましたが、今日は世界共通の品質を目指す方向にあり、塗装設備・機器も統一する動きにあります」
「環境に対しても地域によって規制がないからいいということにはならない。それだけトップメーカーはトップメーカーとしてグローバルスタンダードというコンセプトをキチンと持っています。従って投資を行うことに躊躇はないです」


進化する塗装システム=タクボワールド



—億単位の塗装システムが順調に売れている要因は。

 「これまで品質とコストを追求した装置がなかったからでしょう。管理できる装置によって低コストと高品質を同時に実現した。加工品の世界は素材、塗料が頻繁に変わる。つまり変わる要素が大きい。それに対して常に現場での検証が行われる。当社のデータロボット(製品名・データス300)によって実験室で塗装方法、条件出しを行い、そのデータを現場の塗装ロボットに転送するだけで、同じ条件で塗装が行えるようになった」
 「更に塗装方法“Rの技術”と精密・少量吐出を可能にしたシリンジーポンプによって薄膜回転塗装を可能にした。この技術とデータロボットの組み合わせで塗装コストが従来の2分の1になります。これをコンセプトにしてきた。要は部品1個当りいくらで仕上がるか、キチンと単価を出せるのが大手ユーザーに受け入れられた要因でしょう」
 「国際競争で勝ち抜くためには従来と同じ発想をしていたのでは無理です。背反するコストと品質を同時に満足していく必要があり、常に最新技術を導入していかなければなりません。環境の問題に対しても同じです。新しいモノにチャレンジしていくことが求められます。これは投資の問題になってきます」

—今回のペイントショーではその辺も踏まえ、タクボワールドを前面に近未来の塗装ロボットを披露すると伺っていますが。

 「大型スクリーンに我々の考え方をアニメーションで示すとともに、2〜3年先を行くソフトボーイXを出展します。どういう考え方かといいますと、ロボットを静止させ、被塗物側を動かすことでホースレスにし、塗料をカートリッジ式にすることで塗料使用量の削減と産廃物の削減を提案します。既に述べてきたトータル対応での環境負荷低減への取り組みの一端を披露したい。その他、先ほどからでてきているデータロボ300に今回は小物専用塗装ロボットなどを出品します」
 「環境対応が大きなテーマになっておりますが、環境問題はモノを造っている人達の自覚の問題であって、今日から変えると言えば今日から変えられるんです。その決断をするかどうかだけです」

佐々木栄治(タクボエンジニアリング)

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